2024年11月7日、ユニバーサルツーリズムシンポジウム「旅は道づれ 余話のたね」が東京都原宿で開催されました。本シンポジウムは、障害の有無や年齢に関係なく誰もが楽しめる旅行=「ユニバーサルツーリズム」について、多様な立場の人々と語り合う初めての場です。
ユニバーサルツーリズムに関心が高い人だけでなく、より広い層に届けることを意識したカジュアルな雰囲気で企画されており、会場には観光業者、専門家、障害当事者、行政関係者など多くの参加者が集まりました。
シンポジウムの概要と目的
「旅は道づれ 余話のたね」というユニークなタイトルには、「旅は道連れ、世は情け」のことわざをもじり、“旅は仲間とともに、新たな余話(エピソード)の種を生む”という想いが込められています。イベントの目的は、誰もが気軽におでかけを楽しめる社会を実現するために、ユニバーサルツーリズムの現状や課題、そして可能性を共有し合うことでした。
専門家や技術者、宿泊施設の運営者、障害のある方など各分野の登壇者がそれぞれの経験談や事例を交えて発表し、参加者全員で課題解決のアイデアや新しい旅行のあり方を考える場となりました。
初開催となる今回は社会全体で外出の壁を取り除くムーブメントの第一歩と位置づけられ、終始なごやかながら熱気ある討論が行われました。
ISVDによるサポート内容
本シンポジウムの裏側では、一般社団法人 社会構想デザイン機構(ISVD)が企画運営をサポートしました。まず、登壇者選定においては様々な視点がバランス良く揃うよう調整が行われています。障害当事者の声に加え、観光事業者やIT企業、有識者などが壇上に立ち、それぞれの立場から意見交換できる構成となりました。
次に、イベントタイトル「旅は道づれ 余話のたね」やキービジュアルの選定・デザインにもISVDが協力。親しみやすく印象に残るタイトルとビジュアルが、初めてユニバーサルツーリズムに触れる人々の興味を惹きつけるのに一役買いました。さらに、参加者が興味を持ちやすい構成やプロモーションにも工夫を凝らしています。
例えば、参加費は無料で出入り自由とし、シンポジウム後半には登壇者と気軽に話せる交流タイムや写真撮影会(チェキ会)を企画するなど、堅苦しさを感じさせない演出で幅広い層の参加を促しました。ISVDのデザイン視点を取り入れたこれらのサポートにより、イベント全体が「学びやすく楽しみやすい場」となるよう実現されています。
開催の成果と反響
当日は会場に笑顔があふれ、活発な意見交換が行われました。シンポジウム終了後の交流会では、初対面の参加者同士や登壇者とも自由に語り合える雰囲気が生まれ、ユニバーサルツーリズムというテーマが特定の関心層以外にも身近に感じられる機会となりました。参加者からも多くの声が寄せられています。
- 「当事者目線の意見を聞けて勉強になった。自分の事業にも取り入れたい。」(観光事業者)
- 「普段知ることのできない視点を学び、外出の可能性を感じた。」(一般参加者)
- 「もっと多くの人にこの取り組みを知ってほしいと感じた。」(メディア関係者)
このように、現場のリアルな声に触れたことで新たな発見があったとの感想が相次ぎました。SNS上でもイベントの模様が発信され、登壇者である人気YouTuberやインフルエンサーの投稿をきっかけに議論が広がっています。また地元テレビ局のニュースでプロジェクトが特集されるなど、メディアにも取り上げられ注目度が高まりました。行政関係者からも「地域でもぜひこうした取組を進めたい」という声があり、ユニバーサルツーリズム推進への関心の広がりが感じられます。
今後の展望
シンポジウムで得られた知見やつながりを糧に、プロジェクトチーム(MinQ)は今後さらなる情報発信と新たな企画展開を目指しています。
具体的には、ユニバーサルツーリズムの考え方をより多くの人に広めるため、メディアを通じた発信や地域と連携したイベントの企画、観光事業者向けのサポート体制の強化などに取り組んでいく予定です。今回得られた参加者の声や反響は、行政や企業への働きかけにも大きな後押しとなるでしょう。初開催の「旅は道づれ 余話のたね」は、様々な立場の人々が一堂に会して外出のバリアを取り除く大きな一歩となりました。
今後もISVDはじめ関係団体の協力を得ながら、このムーブメントを継続・拡大し、誰もがワクワクと旅を楽しめる社会の実現に向けて歩みを進めていきます。
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