介護・子どもの貧困・生活保護——日本の社会安全網を構造から読み解く連載シリーズ。
ISVDがこのテーマを追う理由
介護・子ども・生活保護という三つの領域は、個別の政策問題として語られることが多い。しかし財政・人口動態・制度設計の観点から重ねると、同じ構造的な問題系が浮かびあがる。給付費用の増大、担い手の不足、そして「支援が届かない層」の存在——これらは個別制度の不備ではなく、社会保障そのものの設計思想と限界を映している。縦割りを横断してこの構造を読み解くことが、次の社会設計の構想につながる素地になると、ISVDは考えている。
収録記事 — 3本
010203
介護人材危機の構造 — 2040年の「見えない工程表」
2040年に介護職員が57万人不足する——厚生労働省の試算はいまも進行中の危機を映す。有効求人倍率3.9倍、離職率と入職率がほぼ同水準の現実。量的問題に見えているものが制度設計の失敗と交差していることを、3層構造で読み解く。
労働・雇用福祉高齢化
子どもの貧困の「深さ」— 相対的貧困率が語れないもの
子どもの相対的貧困率は2021年調査で11.5%に低下した。しかし「率」の改善は「深さ」の改善を意味しない。ひとり親世帯44.5%という数字、OECD最高の就業率と最高の貧困率が共存する逆説、子ども食堂の急増が示す「見えない剥奪」を読み解く。
社会課題格差福祉
生活保護「捕捉率」20% — 日本の安全網の見えない漏れ
生活保護を受ける権利があるのに、実際に利用しているのは推計20%程度。残り80%が制度に届いていない背景には、心理的・手続き的・情報的な3つの障壁がある。ドイツ64%、英国57%と比較したとき、日本の構造的問題が浮かび上がる。
福祉社会課題政策分析