スモールコンセッション合同WGに参加しました — 地域の将来像と事業の判断をつなぐ
2026年10月2日、ISVD代表理事の横田直也がスモールコンセッションプラットフォームの「事業手法検討+資金調達」合同WGに参加しました。庁内・議会の合意形成について、地域の将来像と施設の役割を短期の成果や事業条件につなぐ必要性を発言しました。
目次
2026年10月2日、ISVD代表理事の横田直也が、スモールコンセッションプラットフォームの第1回「事業手法検討+資金調達」合同ワーキンググループ(WG)にオンラインで参加しました。
公共施設の活用を進める際には、収支や費用負担、運営を担う事業者の確保とともに、庁内・議会での合意形成が課題になります。今回、横田からは、地域が目指す将来像と施設の役割を、目の前の成果や事業の判断にどうつなぐかという視点を提示しました。

画像は生成したイメージで、実際の会場や対象施設の写真ではありません。
実案件を題材に、事業化の課題を考える
スモールコンセッションは、廃校などの身近な公的資産を、官民が連携して活用する取組です。今回のWG(外部サイト・新しいタブで開きます)は、実案件の現状とつまずきポイントを題材に、事業手法・資金調達上の課題や論点を整理する場として開催されました。
地域の課題に向き合う施設の活用例として、熊本県あさぎり町では、低未利用の公有財産を使い、観光による一時的な滞在から移住・定住へとつながる流れをつくる構想が検討されています。国土交通省が公開している調査報告書(外部サイト・新しいタブで開きます)では、廃校や庁舎跡地、キャンプ場などを一体的に捉え、観光振興と移住・定住支援を結びつける方針が示されています。
こうした構想では、施設を使う目的と、実際に事業として成り立つ条件の両方を考える必要があります。地域の目的があっても、誰が運営し、費用やリスクをどう分担するかが決まらなければ、事業化には進めません。
地域の将来像を、合意形成の判断につなぐ
横田の発言は、あさぎり町の取組を踏まえたうえで、公共施設の活用に共通する合意形成のあり方について述べたものです。
短期の成果を示すことは、事業への理解を得るために有効です。一方、地域の暮らしや人のつながりに生じる変化は、短期間では捉えにくい場合があります。財政負担の軽減や投資に対する経済的な効果だけが判断の中心になると、中長期に実現したい地域の姿と、承認に必要な説明が離れてしまうのではないか。この点を、一般的な課題として提起しました。
地域の総合計画などで掲げる将来像と、個々の施設の役割との関係を具体的に説明できれば、庁内・議会でも、その事業を進める理由を共有しやすくなると考えています。「地域の活性化」や「移住の促進」という目的を挙げるだけでなく、誰の暮らしにどのような変化をもたらしたいのか、そのために施設が何を担うのかを明らかにすることが必要です。
これは、導入可能性調査で事業の成立条件を確かめる作業にもつながります。事業を実施できるかという検討と、地域としてその事業に取り組む理由や負担の妥当性を共有することは、それぞれ必要な過程です。
民間事業者が、地域の将来を想像できること
将来像と施設の役割の関係は、民間事業者との合意形成にも関わります。行政がどのような地域を目指し、施設をその中にどう位置づけているかが伝われば、事業者も、自らの運営や投資が何につながるのかを考えやすくなります。
もちろん、参入の判断には、施設の状態、改修費、収益の見通し、契約期間、リスクの分担などの条件が必要です。その条件を整える際にも、地域として実現したいことが共有されているかによって、行政と事業者の対話の内容は変わるのではないかと考えています。
利用者数や売上などの数値を積み重ねることと、中長期の目的を共有することは、両方が必要です。例えば、移住・定住を目指すのであれば、施設の利用が、その後の地域との継続的な関わりや住まいの確保にどうつながるのか。これは今回の参加を受けてISVDが考えている問いであり、成果を何のために測るかを具体化する手がかりになります。
今回の参加を通じ、公共施設の活用では、事業の成立条件と地域が目指す姿を行き来しながら、関係者が判断できる説明をつくることが大切だと改めて感じました。第2回WGは12月に開催予定です。今回整理された課題を踏まえた検討が予定されています。
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