公共資産活用
15件のコンテンツ
廃業油槽所・製油所の建築転用 — 国内 10 事例と国際先行 3 事例の比較
日本の廃業製油所・油槽所は 2013 年コスモ坂出、2014 年 JX 室蘭、2020 年 ENEOS 大阪、2023 年 ENEOS 和歌山、2024 年西部石油山口と続く。跡地の多くは物流基地・石化拠点・SAF 生産拠点への機能転換に留まり、文化・建築的活用の国内先例はほぼ空白である。一方、海外では TANK Shanghai・Gasholders London・Vienna Gasometers という 3 大先行事例が存在する。国内 10 事例と海外 3 事例を比較し、日本での建築転用の可能性を検討する。
廃業給油所 27,000 か所と地下タンク遺留 — 縮小資産の類型学
全国の給油所は 1994 年度末のピーク 60,421 か所から 2024 年度末に 27,009 か所へ、30 年で約 33,000 か所が閉鎖された。廃業後の地下タンク処理は「撤去が原則、充填残置はやむを得ない場合のみ」(消防危第 78 号)だが、費用負担から充填残置が実態として多用されている。縮小資産のうち「地下インフラ遺留型」の類型学を、法制度と実態から読み解く。
空港コンセッションの収益構造 — 国管理空港12空港が示す「採算の壁」と民間参入条件
2016年以降、仙台・高松・福岡・北海道7空港など国管理空港のコンセッションが進んだ。しかし全国98空港のうちコンセッションが成立したのは12空港に限られる。航空旅客収入・商業収入・着陸料の3収益源の構造と、採算が成立する空港規模の条件を分析する。
Park-PFI 7年の収益構造 — 都市公園に収益施設が生まれる条件と3類型の分岐点
2017年の都市公園法改正から7年、Park-PFI(公募設置管理制度)で整備された収益施設は全国300件を超えた。しかし採算が成立する案件とそうでない案件の間には、立地・施設規模・還元金設計に明確な構造差がある。収益施設単体型・公園整備充当型・複合開発型の3類型に分類し、どの条件でどの類型が機能するかを分析する。
PPP公民連携デスクの設置格差 — 自治体内部能力の構造問題と案件形成への影響
内閣府はPPP/PFI推進に向けて自治体へのPPPデスク設置・アドバイザー派遣を整備した。しかし案件が生まれている自治体と生まれていない自治体の間には、担当者の専門性・首長の本気度・デスク機能の継続性に明確な構造差がある。内部能力の格差が案件形成格差に直結する構造を分析する。
PPP/PFI案件のリスク分担マトリクス — 設計不備が引き起こす事業失敗の構造
PPP/PFI案件の契約設計でもっとも争点になるのはリスク分担だ。需要リスク・建設コストリスク・物価変動リスクの3類型を軸に、官民のリスク分担設計が案件の採算性と事業継続性にどう影響するかを分析する。国内の失敗事例から設計不備のパターンを抽出し、適切なマトリクス設計の原則を整理する。
上下水道コンセッション 3事例の構造比較 — 宮城・浜松・須崎が示す運営移管の分岐条件
宮城県(上工下水道一体型)・浜松市(下水道)・須崎市(水道)の3事例は、上下水道コンセッションの異なる設計類型を代表する。民間への運営権移転が採算・サービス水準・リスク分担においてどう機能するかを構造的に比較し、2030年代に向けた自治体の設計選択肢を整理する。
「空き家」「公共施設」議論の地域分布 — 全国 1,320 自治体・7 年間の構造分析
全国地方議会発言データ(machikarte 約 1.25 億件、2018-2024 年・最大 1,320 自治体)から「空き家」「公共施設」「廃校・統廃合」関連の言及を集計した。「空き家」言及は 2018 年 34,573 件から 2019-2021 年に 2.4-2.6 万件まで落ち込み、2024 年 34,847 件と U 字回復している。「公共施設」言及は 2024 年が 7 年で最高水準(67,014 件)、「スモールコンセッション」関連の議論共起は 2023 年 2 件から 2024 年 36 件と急増した。本稿は個別議会の評価ではなく、議会発言における公共資産活用議論の時間構造と地域分布を観察値として読む。
スモールコンセッション 3 つの壁の構造分析 — 日本型スモコンの収益構造類型と突破パターン
国土交通省「スモールコンセッションのすすめ」(令和8年5月)が整理する「イメージの壁・パートナーの壁・事業化の壁」を、PMC 2026-04-14セミナー全24P事例15件と照合し、日本型スモコンの収益構造(行政負担ゼロ型・補助金併用型・FTK型・LABV型)を類型化する。どの条件がどの類型に適合するかを構造的に整理することで、参入余地の有無を読む視点を提供する。
公共資産活用研究室 仮説と射程 — 制度・資金・人材の3層から構造を読み直す
公共資産活用研究室(ISVD-LAB-005)の問題意識・分析射程・方法論をまとめる。PPP/PFI、スモールコンセッション、Park-PFI、PFS等の制度類型と、ローカル事業者・専門家・自治体の協働における構造的困難を、内閣府・総務省・国交省の一次資料と全国事例を交差させて分析する。
公共サービスの「ソフト化」— 施設からサービスへのパラダイムシフト
インフラ維持更新費は今後30年で190兆円、建設後50年超の道路橋は2040年に75%に達する。公共資産活用の議論は「ハコモノ」再生に集中してきたが、住民が必要としているのは施設ではなくサービスである。電子図書館611自治体、コンビニ交付1,713万件、学校体育施設開放率96%。施設を持たずにサービスを提供する「ソフト化」の構造転換を分析する。
廃校スモールコンセッションの構造分析 — 全国1,951校の未活用廃校が示す制度と実行の断層
全国7,612校の廃校のうち1,951校が未活用のまま放置されている。文科省は廃校スモールコンセッションを公式に推奨し、補助金返還を免除する10年ルールも整備された。にもかかわらず、なぜ廃校活用は進まないのか。制度・資金・規制の3層から構造的な障壁を分析し、突破パターンを提示する。
企業版ふるさと納税631億円の構造分析 — 人材派遣型が変える公共資産再生の資金と人材
企業版ふるさと納税の寄附額は令和6年度に631億円・18,457件に達し、人材派遣型は157名・119団体に拡大した。最大約9割の税軽減、人件費の寄附対象算入、R9年度までの3年延長。この制度は公共資産再生の資金と人材の両方を解決する可能性を持つが、不正事案による制度改善が転機をもたらしている。
PFS普及率9%の構造分析 — 制度・資金・ガイドラインが揃っても自治体が踏み出せない理由
成果連動型民間委託契約方式(PFS)を実施した自治体は全国1,700団体中わずか154団体、9%にとどまる。内閣府はガイドライン・交付金・専門家派遣を整備したが、案件形成の現場では「WTP算定の壁」「ロジックモデル設計の壁」「庁内合意形成の壁」が立ちはだかる。制度と実行の断層を構造的に分析する。
優先的検討規程の構造的乖離 — 策定率82%の裏側にある「運用されない制度」の実態
内閣府が推進するPPP/PFI優先的検討規程は、人口20万人以上の自治体で策定率82.1%に達した。しかし策定と運用の間には構造的な乖離が存在する。人口規模別の策定率データ、総務省調査による形骸化の実態、先進事例(豊明市・智頭町)の制度設計を交差させ、「規程があるのに機能しない」構造を定量的に分析する。