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一般社団法人 社会構想デザイン機構

〒112-0001 東京都文京区白山2-22-20

1.3.1

文献マップ: 地方議会発言データ研究の系譜 — 渡部春佳・木村泰知・東健二郎の研究を中心に

ヨコタナオヤ(横田直也)約20分で読めます

machikarteが立脚する地方議会議事録分析・コーパス研究・市民参加プラットフォーム研究の先行研究マップ。データ取得・構造抽出・市民還元の一連の流れを、3系統の研究蓄積で辿る。

このノートは、machikarte(外部サイト・新しいタブで開きます)(全国地方議会発言検索基盤)が立脚する先行研究を、3 系統の蓄積として整理したものである。地方議会議事録分析の系譜・大規模コーパスと NLP 分析の系譜・市民参加プラットフォームの系譜という 3 つの研究領域を、それぞれの中核研究者を軸に紹介する。machikarte の編集委員会招聘候補として検討している研究者の蓄積を、文献マップの形で公開する位置づけである。

概観 — 3 系統に分かれたまま積み上がってきた

地方議会の議事録は全国1,788議会で公開されている。技術的には横断分析の道は開かれている。それにもかかわらず、議事録を全国横断で扱った研究は、研究領域として独立した3系統に分かれて蓄積されてきた。

ひとつは、議会議事録から話題や論点を抽出し、文化政策や個別領域のアカウンタビリティを読み解く系譜である。もうひとつは、自然言語処理の対象として大規模コーパスを構築し、議員活動の定量化やスタンス分類を進める系譜。さらにもうひとつは、議会データを市民参加の素材として戻す civic tech の系譜である。

データ取得・構造抽出・市民還元という研究プロセスのそれぞれの段階に、独立した研究蓄積がある。machikarte は、この3段階全体を一つの基盤の上で接続することを目指す位置にある。本稿は、その立脚点となる先行研究を、3系統の代表的な研究者の業績として紹介する。

紹介する研究者は 渡部春佳(外部サイト・新しいタブで開きます)(中央大学国際情報学部助教)、木村泰知(外部サイト・新しいタブで開きます)(小樽商科大学商学部教授)、東健二郎(外部サイト・新しいタブで開きます)(Code for Japan PM、滋賀県日野町政策参与)の3名である。

主要著作の年表

3系統を年で並べると、蓄積の順番が見える。議事録を素材として扱う方法論が先にでき(2020年)、 コーパスと定量化がそれを追い(2023-2024年)、市民参加への還元が制度の場に届いた(2024年)。

年著作・プロジェクト系譜
2020渡部博士論文「自治体の文化政策におけるアカウンタビリティに関する研究」議事録分析
2020渡部「地方議会議事録分析による話題抽出についての一試論」議事録分析
2021東「コロナ時代の参加型民主主義プラットフォームの実践」市民参加
2022木村(編著)『自治体DX推進とオープンデータの活用』制度背景
2023渡部『公立文化施設のガバナンス論』(社会情報学会優秀文献賞・新進研究賞)議事録分析
2023木村・川浦「Deeds, not words?」政治学的実証
2023東第4章「市民参加型合意形成プラットフォームを用いたデジタル民主主義」市民参加
2023-渡部科研費若手研究23K12068(2023-2026年度)議事録分析
2024木村ほか「Building a Large Corpus and Pre-trained Language Models」コーパス
2024木村ほか「Quantifying the Activities of Local Assembly Members」定量化
2024東第6・7章『デジタル社会と自治体』市民参加
2024東参議院総務委員会参考人(地方自治法改正案)制度の場
2024-木村科研費基盤研究 (B) 23K21841コーパス
2025渡部「政策研究における地方議会議事録データの活用に向けた方法論の検討」議事録分析
2026木村・川浦「Silence is Not Golden」政治学的実証

年表に載せていないものが4件ある。地方議会会議録コーパスプロジェクトとNTCIRシリーズは 特定の年に置けない継続運営で、Code for Japanとmachikarteは著作ではなく組織・基盤である。

年表にすると、議事録を「観察できる素材」として扱う方法論が先に立ち、 それを大規模に回す技術と、市民へ戻す実装が後から追いついた流れが読める。 machikarteはこの3つが揃った後に、それらを一つの基盤の上でつなぐ位置に置かれている。

3 つの系譜

年表で見えた順番を、系譜ごとに追う。以下の 3 節は、上の年表の「系譜」列に対応する。

議会議事録分析の系譜 — 渡部春佳の研究

渡部春佳の研究は、地方議会議事録を素材として政策過程のアカウンタビリティを読み解く方法論の体系化に重点を置いてきた。(Evidence-Based Policy Making)の議論が制度導入の段階から実証データの段階に移る過程で、議事録という素材を学術的にどう扱うかという基礎を整えた仕事と位置付けられる。

博士論文「自治体の文化政策におけるアカウンタビリティに関する研究」(東京大学大学院学際情報学府、2020年)は、公立文化施設のガバナンスを地方議会議事録から再構成した研究である。地方議会という公開層に蓄積された言説を、政策決定過程の実証素材として扱う方法論を確立した。machikarte が「議事録を観察値として読む」という基本姿勢を取る上で、最も近い学術的な系譜にある。

書籍『公立文化施設のガバナンス論: 自治体によるアカウンタビリティの実践と変容』(早稲田大学出版部、2023年、312ページ)は、博士論文を書籍化したもので、2023年に社会情報学会優秀文献賞と新進研究賞を同時受賞している。静岡・札幌・仙台・新潟・横浜・京都の6都道府県議会の議事録を実証分析し、公立文化施設のアカウンタビリティが議会という公開層でどう実践され、どう変容してきたかを跡付けた。machikarte の文化政策トピック分析の根拠資料となる位置にある。

論文「地方議会議事録分析による話題抽出についての一試論」(社会情報学9巻1号、2020年、DOI: 10.14836/ssi.9.1_1)は、議事録テキストから話題を抽出する手法を体系化した方法論論文である。文化政策に関する議論を5つの共通トピック(財政負担・施設整備・管理運営・事業・文化政策推進構造)に分類する枠組みを提示した。machikarte の自治体別議題分類・トピック検索機能の方法論的支柱となる文献である。

論文「政策研究における地方議会議事録データの活用に向けた方法論の検討」(国際情報学研究5巻5号、2025年、共著: 浅谷公威)は、地方議会議事録を研究素材として扱う際のデータ品質保証・前処理・分析設計の課題を整理した論文である。データ取得から分析までの一連の工程で、どこに学術的な検証可能性のリスクがあるかを論じている。machikarte が「データ品質保証と検証スクリプトの公開」を差別化の核に据える方針と、ほぼ同じ問題意識を共有する。

科研費若手研究23K12068「公立劇場・文化施設の政策決定に関する言説分析: 都道府県議会議事録の比較検討」(2023-2026年度、研究経費247万円)は、47都道府県議会議事録の比較言説分析を進めるプロジェクトである。machikarte が目指す「全1,788議会への横断分析適用」の前段として、都道府県議会レベルでの比較分析の蓄積を進める研究といえる。

渡部の5件は、議事録分析の方法論・実証・科研費プロジェクトという3層をカバーしており、machikarte の編集委員会が文化政策・アカウンタビリティ領域で立脚すべき学術的な土台を形成する。

大規模コーパスとNLP分析の系譜 — 木村泰知の研究

木村泰知の研究は、地方議会議事録を大規模コーパスとして整備し、自然言語処理の対象として議員活動を定量化する方法論の体系化に重点を置いてきた。日本の政治情報学・計算社会科学の領域で、地方議会データを扱う研究の中心的な担い手の一人である。

論文「Building a Large Corpus and Pre-trained Language Models from National and Local Assembly Minutes」(Journal of Natural Language Processing、31巻2号、2024年、DOI: 10.5715/jnlp.31.707)は、国会会議録104,969文書と全国710自治体議会の553,823件の議事録(約58GB)から大規模コーパスを構築し、政治ドメイン適応BERTを訓練した研究である。machikarteが247,063,315件(2026-08-18集計)の議会発言を保持する基盤を運営する上で、最も近い先行プロジェクトの一つに位置付けられる。スクレイパーとコーパス基盤の設計判断にも直接の参考となる蓄積である。

論文「Quantifying the Activities of Local Assembly Members in Japan: Recent Advances and an Approach Using the BERTopic Model」(Interdisciplinary Information Sciences、30巻1号、2024年、DOI: 10.4036/iis.2024.R.03、Open Access)は、BERTopic モデルを福島県議会議事録に適用し、議員活動を定量的に可視化する手法を提示した論文である。machikarte の議員パフォーマンス指標機能が、どのような学術的根拠の上に立てるかを示す重要な参照文献となる。

論文「Silence is Not Golden: Legislative Participation and Re-Election of Japanese Local Assembly Members」(Asian Journal of Law and Economics、2026年、共著: 川浦昭彦)は、2000-2023年の24年間にわたる地方議会データから、議員発言量と再選率の正の相関を実証した論文である。タイトルが示すとおり、発言量が少ない議員は再選される傾向が弱いという結果を示している。machikarte の議員活動可視化機能が、市民の投票行動にどう連動しうるかを示唆する学術的根拠の中核となる文献である。

論文「Deeds, not words? Speech and re-election of Japan's local legislators」(Constitutional Political Economy、2023年、DOI: 10.1007/s10602-023-09402-3、共著: 川浦昭彦)は、議員発言量と再選の因果関係を分析した先行論文である。発言が「行動」として有権者に評価されているかという問いを、地方議会データから実証的に検討している。machikarte の議員活動可視化が、政治学的に「発言は意味ある観察値である」という根拠を持つ立論を可能にする土台である。

地方議会会議録コーパスプロジェクト(http://local-politics.jp/)は、木村が主宰する(外部サイト・新しいタブで開きます) 47都道府県議会の横断検索システムである。machikarte が技術的な前身として参照する基盤の一つであり、自治体議会の横断検索という発想を最初に学術プロジェクトとして実装した蓄積である。

NTCIR QA Lab-PoliInfo シリーズ(NTCIR-14, 2019 / NTCIR-15, 2020 / NTCIR-16, 2022 / NTCIR-17, 2023 / NTCIR-18 U4, 2025)は、政治情報の質問応答・要約・スタンス分類・予算論証マイニング等のタスクを設計・運営する国際的な評価ワークショップであり、木村は主要オーガナイザーの一人である。NTCIR-15と NTCIR-17のスタンス分類タスクは、machikarte のスタンス分類機能の直接的な方法論的根拠となる。NTCIR-16の Budget Argument Mining タスクは、予算議論分析機能の参照点となる。

科研費基盤研究 (B) 23K21841「地方議会における非構造化データと構造化データの有機的な連結」(2024年度〜、研究経費1,638万円)は、会議録という非構造化データと、予算・条例・選挙という構造化データを連結したコーパス構築を進めるプロジェクトである。machikarte が将来的に目指す「議事録データと予算・条例データの接続」の方向性と整合する研究蓄積である。

書籍『自治体DX推進とオープンデータの活用』(日本経済評論社、2022年、編著、共著: 本田正美・河村和徳・高丸圭一・内田ゆず・乙武北斗 ほか)は、自治体 DX とオープンデータ政策の実践論を整理した編著書である。machikarte が立脚する制度的背景(自治体オープンデータ政策・デジタル庁・総務省自治体 DX 推進計画等)の学術的整理として参照価値が高い文献である。

木村の7件は、コーパス基盤・議員活動定量化・スタンス分類・議論マイニング・科研費・編著書という多層をカバーしており、machikarte が NLP 分析機能を実装する上での学術的な土台のほぼ全領域を覆っている。

市民参加プラットフォームとcivic techの系譜 — 東健二郎の研究

東健二郎の蓄積は、議会発言データや行政情報を市民参加の素材として市民側に戻すcivic techの実装と制度設計に重点を置く。京都府職員(2007-2020)として13年間の行政内部実務を経た後、Code for Japanで全国の自治体に市民参加プラットフォームを展開する立場にある。

書籍『デジタル社会と自治体: 地方自治と都市経営の未来』(公益財団法人 日本都市センター、2024年、共著)は、デジタル社会における地方自治の制度的整理を扱う論集であり、東は第6章「デジタル社会における住民自治」と第7章「住民と行政の共創のあり方: シビックテックの10年」の2章を担当している。国内 civic tech の制度的整理として最重要の文献の一つに位置付けられる。machikarte が「議会データを市民還元する基盤」として civic tech の系譜にどう接続するかを位置付ける上での参照点となる。

書籍『持続可能な発展に向けた地域からのトランジション』(環境新聞社、2023年、共著、白井信雄・栗島英明編)は、地域からのトランジションを論じる論集であり、東は第4章「市民参加型合意形成プラットフォームを用いたデジタル民主主義」を担当している。Decidim(外部サイト・新しいタブで開きます) を含む市民参加型プラットフォームを実際に運用する立場からの論考である。machikarte が議会データを市民還元する際、合意形成のレイヤーとどう接続するかを示唆する論考である。

寄稿「コロナ時代の参加型民主主義プラットフォームの実践: Decidim を例に」(技術評論社『ソフトウェアデザイン 2021 年 10 月号』)は、Decidim の技術解説と国内導入実践を扱った寄稿であり、国内における Decidim 普及の標準的入門文献の一つとなっている。machikarte が議会データを起点に市民参加に接続する際の、技術と運用の参照点である。

参議院総務委員会 参考人(2024年6月11日、第213回国会、地方自治法改正案審議)として、東は牧原出(東京大学)・小原隆治(早稲田大学)・本多滝夫(龍谷大学)と並ぶ4参考人の一人として出席した。肩書は「一般社団法人コード・フォー・ジャパン・滋賀県日野町政策参与」である。地方自治法改正という制度設計レベルの場で、civic tech の実務者として意見陳述を行ったことは、machikarte が「議会データを市民還元する基盤」として制度的にどの位置に立つかを示唆する事例である。

Code for Japan の Decidim 公式パートナー化(2024年4月、日本初)の推進実務責任者として、東は加古川市(2020年10月の日本初 Decidim 導入)以来の国内展開を主導してきた。西会津町・与謝野町・釜石市・兵庫県・滋賀県等への展開を実務リードしている立場である。machikarte が小規模自治体・基礎自治体に展開する際、Decidim 導入経験のある自治体との接続点として最も近い実務蓄積を持つ。

東の5件は、書籍・論文寄稿・国会参考人・実務リードという多層をカバーしており、machikarte の編集委員会が civic tech と市民参加の系譜で立脚すべき実務的な土台を形成する。

鍵となる概念 — 研究プロセスの3段階

3系統の研究を見渡すと、地方議会発言データを巡る研究プロセスの主要な段階が、いずれかの系統で扱われていることがわかる。

研究プロセスの段階主な系譜担当する研究者
データ取得(コーパス構築・スクレイパー設計)NLP コーパス系木村
構造抽出(話題抽出・トピック分類)議事録分析系渡部・木村
構造抽出(議員活動定量化・スタンス分類)NLP 分析系木村
構造抽出(文化政策アカウンタビリティ)議事録分析系渡部
市民還元(参加型プラットフォーム)civic tech 系東
市民還元(制度設計・国会参考人レベル)civic tech 系東

machikarte は、この3段階全体を統合する基盤設計として位置付けられる。木村のコーパス基盤・NLP 分析の方法論を参照しつつ、渡部の議事録分析・文化政策アカウンタビリティの方法論との接続を視野に入れ、東の civic tech 実務と市民参加の系譜への接続を構想する位置にある。

研究系譜とmachikarte機能の対応

3系統の研究と、machikarte が実装・計画している機能との対応関係を、機能単位で整理する。

研究系譜主担当候補者先行研究machikarte の対応機能
議会議事録の話題抽出渡部社会情報学2020 / 国際情報学研究2025自治体別議題分類 / トピック検索
大規模コーパス基盤木村JNLP 2024 / local-politics.jpスクレイパー・コーパス基盤
議員活動定量化木村IIS 2024(BERTopic)議員パフォーマンス指標
議員発言と再選の関係木村(川浦と共著)Constitutional Political Economy 2023 / Asian Journal of Law and Economics 2026議員活動可視化の政治学的根拠
スタンス分類木村(NTCIR)NTCIR-15 / NTCIR-17スタンス分類機能
議論マイニング木村(NTCIR)NTCIR-16 Budget Argument Mining予算議論分析
文化政策アカウンタビリティ渡部書籍2023 / KAKEN 23K12068文化政策トピック分析の根拠
市民参加型プラットフォーム東『デジタル社会と自治体』2024 / Decidim 関連議会データの市民還元
civic tech 制度論東第7章「シビックテックの10年」プラットフォーム位置付け
小規模自治体 DX 実践東滋賀県日野町政策参与・参議院総務委員会参考人machikarte 展開先環境理解

3系統の研究を横並びに置くと、機能単位で先行研究との接続点を持つ設計になっていることが見える。machikarte は、3系統の蓄積を独自に再発明するのではなく、それぞれの方法論を引き継いだ上で、3系統を統合する位置に立つ基盤として設計されている。

この系譜を誰が引き継ぐか

3系統の先行研究を踏まえると、machikarte が新たに目指す貢献は次の3点に整理できる。

第一に、全1,788議会への横断分析適用である。これまでの先行研究は、47都道府県議会レベル(渡部の6都道府県・木村の都道府県コーパス)か、一部の市区町村(木村の710自治体・福島県議会)に分析対象が限られてきた。1,788議会の全量データを横断分析の対象とすることは、これまでの研究の延長線上にある自然な拡張だが、データ取得とデータ品質保証の工程が継続的に運営される基盤がないと成立しない。

第二に、データ品質保証と検証スクリプトの公開による再現可能性である。先行研究の方法論論文(渡部2025・木村2024)は、データ品質の課題を学術的に整理してきた。machikarte は、その品質保証ロジックを GitHub で公開し、第三者が同じ結論に到達できる状態を保つことを差別化の核に据える。学術領域の再現可能性議論を、運営される基盤としての再現可能性に拡張する位置である。

第三に、AI agent 接続による分析の自動化である。EBPM の議論が AI 時代に入る中で、議会データを AI agent が扱える形(MCP Tool 化等)で公開することは、研究領域の延長というより、研究と実務の境界を再設計する試みになる。Phase β 以降の検討領域である。

編集委員会という引き継ぎ方

machikarte は、3系統の研究蓄積の上に立つ基盤として、研究コミュニティの中で形成されつつある。編集委員会も、研究者と実務家の対話の場として位置付けることが自然である。

3系統のそれぞれに代表的な研究者を招聘し、機能設計と編集判断のレビューを担っていただく構成は、machikarte が独自に方法論を立ち上げるのではなく、各系譜の蓄積を引き継いで運営することを宣言する設計でもある。Phase α の編集委員会編成では、3系統のバランスを取る構成を検討している。

研究領域の異なる3名が同じ基盤を見ることで、議事録分析の方法論・NLP コーパスの設計・civic tech の実装という相互に補完的な視点から、machikarte の編集判断と機能設計を検証していただくことを目指す。

限界 — 先行研究が届いていないところ、machikarte が届いていないところ

文献マップは、何が積み上がったかだけでなく、何が積み上がっていないかを書いて完成する。

先行研究の側で届いていないこと。 分析の対象は、渡部が 6 都道府県議会、 木村が 710 自治体議会と福島県議会である。全 1,788 議会を一つの対象として扱った研究は、 この 3 系統のどこにも無い。スタンス分類と議論マイニングは NTCIR でタスクとして設計されているが、 全国規模の基盤に載せた実装例は見当たらない。市民参加の側(東)は合意形成の実装が中心で、 議事録データとの接続は論考の段階にある。

machikarte の側で届いていないこと。 2026 年 8 月 18 日の集計で、報告母数 1,788 議会のうち 発言が 1 件も取れていない議会が 31 ある。発言はあるが会議の一覧を出せていない議会が約 600 ある(この数は生成が進むたびに減る)。 つまり「いつの会議で話されたか」を示せない議会が全体の 3 分の 1 に残っている。 テーマ別の集計は 1,529 議会が対象で、残りは対象外である。 先行研究が扱えなかった全国規模を扱えているわけではなく、規模の面では途中にある。

この 2 つは同じ問題ではない。 先行研究の射程が限られていたのは、 研究の設計として対象を絞ったからである。machikarte の欠けは、取得と生成の工程が まだ全議会に届いていないからである。前者は方法論の話で、後者は運営の話になる。

machikarte で実際に試す

各研究で扱われたデータと類似する分析を、machikarte で試せる。いま開けるものと、まだ無いものを分けて書く。

集計の作り方は 方法の開示(外部サイト・新しいタブで開きます)、どこまで取れているかは 収録範囲(外部サイト・新しいタブで開きます) にある。先行研究の方法論を引き継いだ上で、全1,788議会への適用を目指す位置にある。

参考文献

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    自治体DX推進とオープンデータの活用(外部サイト・新しいタブで開きます)

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    東健二郎(一般社団法人コード・フォー・ジャパン・滋賀県日野町政策参与) (2024)

    参議院

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    Code for Japan(Decidim 公式パートナー)(外部サイト・新しいタブで開きます)

    一般社団法人コード・フォー・ジャパン (2024)

    Code for Japan

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