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一般社団法人 社会構想デザイン機構

賃金

18件のコンテンツ

論考・インサイト

男女賃金格差の国際比較 ― 制度設計 3 類型と Child Penalty 134 カ国データ

日本の男女賃金格差は OECD 平均の約 1.9 倍、ワースト 2 位に位置する。だが本記事の関心は「日本がどれだけ遅れているか」を確認することではない。OECD・ILO・WEF の比較データと Kleven et al. (2024) Child Penalty Atlas の 134 カ国データを軸に、各国が同じ問題に対して選んだ制度的回答 ― 強制認証 / 指数開示 / 任意開示 ― の差を読む。制度設計が何を変え、何を変えないのかを国際比較で構造化する。

論考・インサイト

民間学童コストが給与を上回る構造 — 子育て罰の市場メカニズム

公立学童の待機児童は全国16,330人、東京3,360人。一方で民間学童の月額は1子5〜10万円、多子世帯では給与を上回る。「働けば赤字、辞めれば貧困」の背景にある制度の縦割りと、市場が階層選別装置として機能する構造を読む。

論考・インサイト

介護保険料率1.62%へ: 2026年社会保険料「負担増ラッシュ」の全体像

2026年度、健康保険料率は下がった。しかし介護保険料率の引き上げと子ども・子育て支援金の新設が大半を相殺し、年収600万円の会社員で年間約4,800円の純増負担が生じる。社会保険料という「ステルス増税」の構造と、2028年に向けた「第二の負担増ラッシュ」を読み解く。

論考・インサイト

最低賃金1,500円で中小企業の45%が賃金改定 -- 価格転嫁できない構造

政府が掲げる最低賃金1,500円目標に対し、中小企業の45.1%がすでに最低賃金を理由に賃金を引き上げ、35.0%が収益を圧迫されている。価格転嫁率が50%にとどまる構造の中で、賃上げコストはどこに消えているのか。供給サイドから見た最低賃金政策の構造問題を分析する。

論考・インサイト

介護報酬臨時改定が示す限界 : 制度的セーフガードを破った政府の自白

2026年6月、政府は介護報酬を3年サイクルから1年前倒しで臨時改定する。改定率は+2.03%、国費518億円。だがこの「異例の期中改定」は、通常制度では問題に追いつけないことの自白でもある。介護事業者倒産176件・人手不足倒産+45%・訪問介護員有効求人倍率14倍という現場の崩壊が背景にある。さらに2024年度処遇改善加算で月+13,960円の賃上げが実現したにもかかわらず、全産業平均との給与差は6.9万円から8.3万円へと逆に拡大している。「公定報酬→事業者→賃金」という間接ルートでは他産業の自由賃上げ競争に追随できない。月1万円の上乗せは対症療法にすぎず、ドイツのような介護分野別最低賃金や移民総動員の方向にも限界が見える。臨時改定は出発点であって到達点ではない。

論考・インサイト

最低賃金「発効日格差」の盲点 : 同じ年でも実質賃金は181日ズレる

2025年度の最低賃金は「過去最大66円増・全都道府県1,000円超え」と報じられた。だがその裏で、発効日が栃木の2025年10月1日から秋田の2026年3月31日まで181日に分散した。10月発効は前年46から20都道府県へ激減し、6県で初の年またぎ発効が発生している。公称額では秋田1,031円が沖縄1,023円を上回るのに、発効日を加味した実質年平均では秋田991円が沖縄1,005円を下回る逆転が生じる。フルタイム労働者一人あたりの機会損失は最大76,800円規模。韓国・英国・ドイツ・豪が全国一律発効日を採るなかで、日本だけが半年分散している。本稿は最低賃金法第14条第2項の「別に定める日」例外規定を起点に、金額ではなく発効日が生む構造的不公平を読み解く。

論考・インサイト

春闘5.26%でも実質賃金4年連続マイナスの構造

春闘5.26%で3年連続5%超だが実質賃金は4年連続マイナス。物価・保険料・支援金の三重圧力で賃上げ分のほぼ全額が吸収され、手取り増は推計+1.3%。名目の勝利が実質の敗北を隠す構造を読む。

論考・インサイト

介護職の離職率14.3%は「低い」のか — 賃金・労働環境・社会的評価の三重苦

介護職の離職率14.3%(令和3年度)は全産業平均を上回っていた。最新データでは13.1%に改善したが、賃金の構造的制約、過酷な労働環境、低い社会的評価という三重の問題は解消されていない。介護報酬という公定価格制度が、市場メカニズムによる賃金改善を阻む構造を解き明かす。

論考・インサイト

男女賃金格差22.1%の内訳 — 「同一労働」では説明できない構造

日本の男女賃金格差はOECD平均の約2倍。2024年の賃金構造基本統計調査では男性を100として女性は75.8と過去最小を記録したが、それでも24.2%の開きが残る。さらに年齢・学歴・勤続年数・職種・役職を揃えても約24.3%の年収差が消えない。「同じ仕事をすれば同じ賃金」では片づけられないこの格差の構造を、データと国際比較から読む。

論考・インサイト

「子育て罰」の正体 — 児童手当・教育費・住宅費の三重構造

「子育て罰」とは、子どもを持つことで生じる経済的・社会的不利益の総称である。2024年に児童手当の所得制限が撤廃され、高校生年代まで支給が拡大されたが、高等教育の私費負担率51%(OECD最高水準)と大都市圏の住宅費負担率25〜33%という構造は変わっていない。本記事では家計に直接影響する三つの経済的負担 — 児童手当・教育費・住宅費 — に焦点を当て、国際比較とデータから読み解く。

論考・インサイト

春闘5%超でもなぜ給料は増えた気がしないのか — 実質賃金4年連続マイナスの構造

2026年春闘の賃上げ率は5.26%と33年ぶりの高水準。しかし実質賃金は2025年通年でマイナス1.3%と4年連続のマイナスだ。宿泊・飲食279万円 vs 電気・ガス832万円という3倍の業種間格差、OECD38か国中24位という位置。「頑張っても給料が増えない」構造を読む。

論考・インサイト

賃金が30年で増えた業種・減った業種 — 業種別実質賃金を一枚のグラフで

1997年をピークに全産業平均の実質賃金は下落し続けているが、業種によって明暗が大きく分かれる。情報通信業が長期的な上昇傾向を示す一方、宿泊・飲食業は30年で最低水準を更新し続けた。その構造的要因を業種別データで読む。

論考・インサイト

「人手不足」なのになぜ給料は上がらないのか(需給原理が機能しない労働市場の構造)

人手不足倒産が増加する一方で賃金は上がらない。ハローワーク有効求職者と「人手不足」が並存する日本の労働市場で、需給原理が機能しない構造的要因を分析する。

論考・インサイト

社会保険料の30年史 — 月収30万円の手取りはどれだけ減ったか

1990年の月収30万円の社会保険料は約36,150円。2025年は約46,485円。35年で年12万円以上の負担増。健康保険3.4%→10%、厚生年金3%→18.3%、介護保険ゼロ→1.82%。「見えない増税」の全史を保険料率の推移データで可視化する。

論考・インサイト

「年収590万は低所得者?」── 体感と制度のズレを可視化する

年収590万円は給与所得者全体の上位20〜25%に位置する。しかし就学支援金の「590万円ライン」は支援対象の境界として機能し、東京で子育てをすれば手取り430万円は固定費で消える。統計上の「高収入」と生活実感の「ギリギリ」が乖離する構造を、データで読み解く。

論考・インサイト

「税金で半分取られる」は本当か — 国民負担率46%の正体

国民負担率46.2%は「手取りの半分が税金」を意味しない。年収500万円の実効負担率は約22%。50年間で負担率を倍増させた主犯は消費税ではなく社会保険料である。マクロ指標と個人の負担を混同させる構造を、データで解き明かす。

論考・インサイト

可処分所得の静かな収奪 — 物価高と社会保険料増が重なる2026年の家計構造

実質賃金は4年連続マイナス、エンゲル係数は44年ぶり高水準の28.6%、国民負担率は46.2%。物価上昇と社会保険料の増加が同時に進む2026年、中間層の可処分所得はどう変化しているのか。「見えない増税」の三層構造を、大和総研・第一生命経済研究所のデータから読み解く。

論考・インサイト

給料が上がらない30年の構造 — 1997年をピークに停滞する日本の賃金メカニズム

1997年の年収467万円をピークに、日本の実質賃金は30年近く停滞し続けている。OECD主要国で実質賃金上昇率が最低水準にとどまる構造的要因——内部留保637兆円、労働組合組織率16.1%、非正規雇用率36.8%——を解剖し、2025年春闘+5.25%の賃上げが「なぜ手取りに反映されないか」を読み解く。