齋藤 亮次/ Ryoji Saito
神山まるごと高等専門学校 教学マネジメント室長・社会科専任講師。厚生労働省公認キャリアコンサルタント、早稲田大学教育総合研究所特別研究員。50ヵ国以上のフィールドワーク経験を持ち、キャリア教育・探究学習・地理教育を専門とする。
所属
一般社団法人 社会構想デザイン機構(ISVD)
編集部
リンク
執筆書籍
メディア掲載
関連記事(6件)
「無料の相談」は誰が払っているのか — 就活・語学・留学であべこべな三つの制度
進路に迷った学生が使える相談窓口は、どれも学生からは料金を取らない。しかし財源と、財源にかかる歯止めは業態ごとにまったく違う。就職の紹介は法律が利用者からの徴収を禁じ、国内の語学教室には解約権が法定され、いちばん高額な決断を扱う留学あっせんには、この分野に固有の規制が存在しない。三つの制度を並べて、学生が置かれている情報環境を読み解く。
小学校が1年で215校減り、それでも1校あたりの児童数は315.7人から312.4人へ減った
令和7年度学校基本調査の確定値で、小学校は18,607校となり前年度から215校減った。児童数は5,812,375人で129,358人減り、過去最少である。学校を215校減らしても1校あたりの児童数は315.7人から312.4人へ下がった。統合の基準にある通学距離4キロメートルは昭和33年の政令のもので、平成27年の手引が通学時間おおむね1時間以内を重ねている。
日本語指導が必要な児童生徒84,759人のうち、指導を受けていないのは9,699人 — 人数も割合も前回調査より増えている
文部科学省の令和7年度調査で、公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童生徒は84,759人と過去最高になった。増加率も過去最大である。一方、特別な配慮に基づく指導を受けていない児童生徒は9,699人、11.4%で、前回の7,069人、10.2%から人数も割合も増えている。対象が増えるほど届かない層が広がる構造と、高校段階で開く進路の差を読む。
部活動は休日が令和13年度末までに原則すべて地域展開、平日には目標も期限も書かれていない — 「移行」から「展開」への言い換えが何を残したか
令和7年12月に示された新しいガイドラインで、部活動改革は令和8年度から改革実行期間に入る。休日については、期間内に原則すべての学校部活動で地域展開の実現を目指すと書かれている。一方、平日については各種課題を解決しつつ更なる改革を推進とあるだけで、対象も期限もない。責任主体は市区町村に置かれている。言い換えと書き分けが何を残したのかを読む。
ヤングケアラーは高2で4.1%に下がり、大学3年で6.2%に戻る — 世話の相手が、きょうだいから精神疾患の親へ変わる
こども家庭庁の資料で、世話をしている家族が「いる」と答えた割合は小学6年生6.5%、中学2年生5.7%、高校2年生4.1%、そして大学3年生で6.2%に戻る。同時に世話の相手はきょうだいから母親へ移り、その母親の状況は精神疾患が最多になる。終わるケアと終わらないケアが入れ替わる地点を、就職と重なる時期の問題として読む。
子どものSNS利用を年齢で制限する前に — 年齢を確かめる方法が、まだ検討事項の欄にある
こども家庭庁が2026年4月に示した検討資料には、SNS事業者に年齢確認を求めるかどうかが、まだ問いの形で並んでいる。携帯電話事業者からの年齢情報の提供、AIによる年齢判定。いずれも実現可能性を見極める段階にある。年齢で線を引く規制は、線を引く前に、その線を見分ける手段を必要とする。義務の置き場所と識別の手段から、この議論を読む。

