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一般社団法人 社会構想デザイン機構

環境

10件のコンテンツ

論考・インサイト

クマの人身被害が過去最多216件 — 里山という境界を管理する担い手が、過疎で消えた

環境省の速報値で、令和7年度のクマ類による人身被害が216件・死亡13人と統計開始以来の過去最多になった。出没は50,801件で令和5年度の2.1倍。だが木の実の凶作は引き金にすぎない。過疎で里山の手入れをする人が消え、荒廃農地が質的に山林へ戻り、人と野生の緩衝地帯が内側から溶けている。駆除か共生かではなく、境界を誰が管理するかという担い手の空白を読む。

論考・インサイト

熊本の車社会は、道路では解けない — 公共交通の負のスパイラルと、立地から逆算する交通

半導体産業が集まる熊本都市圏で、渋滞が深刻になっている。熊本都市圏パーソントリップ調査によれば、車の分担率は64.4%から67.3%へ上がり、公共交通は5.9%から5.2%へ下がった。道路を増やしても渋滞は解けず、高速道路の無料化実験では交通量が約79%増えた。運転手不足から減便・利用減・不採算・撤退が循環する負のスパイラルを読み、道路の拡張ではなく居住立地と公共交通を逆算で結び直す論点を示す。

研究室

WHO 2018 環境騒音ガイドラインと日本の環境基準 — 最大 25 dB の乖離が意味するもの

WHO 欧州地域事務局が 2018 年に示した環境騒音ガイドラインは、道路騒音 Lden 53 dB 以上で心筋梗塞・脳卒中リスクの上昇を、夜間 Lnight 40 dB 以下を推奨値としている。日本の環境基準は住居地域で 45 dB 夜間、幹線道路沿いで 65 dB 夜間。この乖離を健康影響研究と照らして読み解く。

論考・インサイト

化学物質管理 SDS 対応 — 法改正と中小企業負担構造

労働安全衛生法は 2023 年 4 月と 2024 年 4 月の二段階で大幅に改正され、ラベル・SDS・リスクアセスメント対象物質は改正前の約 674 から、2024 年 4 月の約 896、2025 年 4 月の約 1,600、2026 年 4 月以降の約 2,900 物質規模へと段階拡大している。化学物質管理者の選任義務は業種・規模・量を問わず、海外メーカー製 SDS のローカライズも事業者責任に組み込まれた。FIRST-HAND Local が描いた医療・研究向け試薬企業の現場感を起点に、自律管理転換の制度負担構造を中小企業の視点から読み解く。

論考・インサイト

水道管の老朽化率20% — 見えないインフラ危機のデータ

全国の水道管74万kmのうち、法定耐用年数40年を超えた管路が23.6%に達した。年間2万件超の漏水事故、更新率わずか0.64%、全管路の更新に130年以上。水道料金の平均48%値上げが必要とされる「見えないインフラ危機」の構造をデータで読み解く。

論考・インサイト

農業の構造問題と食料安全保障 — 自給率38%の意味を読む

食料自給率38%という数字の裏側には、農業従事者の平均年齢69.2歳・耕作放棄地25万ヘクタール超という再生困難な構造問題が横たわっている。高齢化による担い手不足、農地の非農業転用、輸入依存の深化が連鎖し、食料安全保障リスクを高める力学をデータから読み解く。

論考・インサイト

食料自給率38%の構造 — グローバル化時代の「食の安全保障」を問い直す

カロリーベース自給率38%、大豆の92.4%を輸入に依存しながら、食品ロスは年間464万トンに達し、子どもの貧困率は11.5%に上る。飽食と欠食が同時に存在する日本の食料安全保障が抱える構造的矛盾を、農業政策・流通構造・国際貿易のデータから読み解く。

ディベート

原発は『脱炭素』の選択肢足りえるか

架空の討論者によるシミュレーション・ディベート形式で、原発の脱炭素貢献と安全性リスクのトレードオフを分析。ライフサイクルCO2排出量、核廃棄物処理、再生可能エネルギーとの最適な組み合わせをエネルギーミックスの構造から検証する。

論考・インサイト

再生可能エネルギーと地域経済 — エネルギー転換が生む新たな格差

再生可能エネルギーの導入拡大は脱炭素の切り札とされるが、その恩恵は都市部の投資家に偏り、設備を受け入れる地方には景観毀損や固定資産税の限界など構造的な負担が集中する。利益と負担の非対称がもたらす新たな地域間格差の力学を、データと事例から分析する。

ディベート

気候変動対策は経済成長と両立するか

架空の討論者によるシミュレーション・ディベート形式で、グリーン成長論と脱成長論を対置。パリ協定の1.5℃目標達成と日本の経済成長は両立可能か、GDP依存の成長モデルからの転換は現実的かを構造的に分析する。