メインコンテンツへスキップ
一般社団法人社会構想デザイン機構

情報リテラシー

12件のコンテンツ

論考・インサイト

新入社員のSNS情報漏洩は「個人の問題」ではない — 組織設計の失敗を読み解く

2026年4月初旬、日本テレビ系「ZIP!」制作会社の新入社員がInstagramに入館証や制作現場のシフト表を投稿して炎上、ほぼ同時期に三菱電機住環境システムズの新卒社員が機密保持誓約書をSNS投稿して拡散する事件が立て続けに発生した。報道とSNS上の議論は「若者の承認欲求」「世代の問題」に還元しがちだが、本稿はこの論調を退ける。エルテスが2026年3月に公表した調査では、仕事・職場の情報をSNS投稿したことがあるビジネスパーソンは43.3%に上り、SNS利用研修を受けた人はわずか22.7%だった。漏洩は「人の問題」ではなく「組織設計の問題」である。入社初日ギャップ・下請け構造・クローズドアカウントの錯覚という3つの構造を読み解き、組織が担うべき5つの設計レイヤーを提示する。

研究室

オープンアクセスのパラドクス — 届かない層にどう届けるか

情報を「公開」すれば届くのか。知識格差仮説、マタイ効果、情報貧困理論が示すのは、アクセスの平等化が格差を縮小するとは限らないという逆説である。オープンアクセス運動の構造的限界を検証し、「翻訳装置」としての中間者モデルを考察する。

研究室

日本語圏無知学の文献マップ 2022–2026 — 学問の誕生を追う

2022年の科学史研究61巻特集号から2025年の『無知学への招待』まで、日本語圏における無知学研究の展開を文献マップとして整理する。研究者ネットワーク、主要出版物、学会発表を時系列で追跡し、この新しい学問分野の現在地を可視化する。

研究室

動機づけられた無知 — 「知りたくない」の認知構造

外部から強制される無知ではなく、個人が自発的に「知らないでいること」を選択するメカニズムを認知科学の視点から分析する。Sloman & Fernbach『知ってるつもり』が示した「知識の錯覚」と、動機づけられた推論が構造的無知の個人レベルの基盤を形成する過程を検討する。

研究室

疑念の製造業 — タバコと気候変動の60年戦争

タバコ産業と化石燃料産業が科学的コンセンサスに対して組織的に「疑念」を製造してきた60年の歴史を分析する。同一の科学者グループ、同一の戦略パターンが繰り返し用いられてきた事実から、「疑念の製造」を無知生産の基本メカニズムとして理論化する。

研究室

報じられないこと — メディアのアジェンダ設定と不可視化

メディアは「何を報じるか」を選択することで「何を報じないか」を決定する。この選択が社会的現実の認識枠組みを構成し、構造的な不可視化を生む。記者クラブ制度、スポンサー圧力、視聴率指標が日本のメディアにおけるattention controlメカニズムとして機能する構造を分析する。

論考・インサイト

「AIに聞きました」の落とし穴 — オーソリティバイアスと知識の空洞化

AIの出力を無批判に受け入れてしまう「オーソリティバイアス」と、認知スキルを外部へ代替させ続けた結果として生じる「知識の空洞化」。電卓からGPS、検索エンジンを経てLLMへと続く認知の外部委託という歴史的パターンから、そのメカニズムを考察する。

研究室

アルゴリズムが生む新しい無知 — フィルターバブルとエコーチェンバー

推薦アルゴリズム、検索エンジン最適化、SNSのフィード設計が、利用者の「見ないもの」を自動的に決定する。意図的な設計ではなく最適化の帰結として生じるこの構造的無知を、注意の操作と複雑性の武器化の複合メカニズムとして分析する。

研究室

ブランドリーニ非対称性のAI増幅 — 嘘の生産コストがゼロに近づくとき

AI生成コンテンツの普及により、誤情報の生産コストと訂正コストの非対称性(ブランドリーニの法則)が桁違いに拡大している。RAND Corporationの「Firehose of Falsehood」モデルを援用し、この構造的変化の帰結を分析する。

研究室

NPOの認識的不正義と情報到達格差 — 声が届かない構造を可視化する

Miranda Frickerの認識的不正義理論をNPO文脈に適用し、証言的不正義と解釈的不正義が政策立案における情報到達格差を生む構造を分析する。静かなまちプロジェクトの「苦情空白」概念との接続を通じて、無知学的対抗デザインを構想する。

研究室

EBPMにおける戦略的無知の阻害効果 — 「知らないふり」が政策を歪める

Linsey McGoeyの戦略的無知理論を日本のEBPM推進に適用し、エビデンスが存在するにもかかわらず政策に反映されない構造的メカニズムを分析する。「データが不十分」「まだ早い」という言説の裏にある意図的な無知の構造を明らかにする。

研究室

無知学研究室の研究体系 — 帰納的コーディングフレームワーク

無知学(Agnotology)の視座から、「無知の生産」を多次元的に分析するための帰納的コーディングフレームワークを提示する。従来の領域分類を超え、7軸のタグ体系によって研究ノートを構造化し、分野横断的なパターンをデータから浮かび上がらせるアプローチ。