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事業を支援する役割を比較する三つの基準

ヨコタナオヤ(横田直也)約5分で読めます

休眠預金等活用制度とPFSへの参画方法を、資金の扱い、資金に関する負担、人数・件数の公表状況から比較する。公開資料で分かる範囲と、個別の契約や実績で確認する事項を分けて整理する。

公共資産活用研究室(ISVD-LAB-005)の研究ノート。休眠預金等活用制度とPFSについて、参画する組織や担当者の役割を比較する。個別の分析はPFSでサービス提供以外に担える二つの役割とプログラム・オフィサーが見えない制度にまとめた。

二つの制度で担える役割

等活用制度は、国民の預金を原資に民間公益活動を支える。PFSは、自治体が事業の成果に応じて対価を払う契約方式である。資金の原資と制度の目的は異なるが、どちらにも、事業の実施に加えて資金提供、調整、評価などの役割がある。

休眠預金等活用制度では、資金分配団体が実行団体を選定して助成し、活動支援団体が支援対象団体に非資金的支援を行う。プログラム・オフィサー(PO)は伴走支援を担う。PFSでは、中間支援組織が案件形成や調整を行い、資金提供者が資金を提供し、第三者評価機関が成果を評価する。

自団体の参画方法を検討するには、役割の名称だけでなく、業務と契約条件を比較する必要がある。本稿では、支援を受ける実行団体や受託者も含めて、9つの役割を整理した。

比較する三つの基準

  1. 資金の扱いについて、助成、出資・融資、支援業務の報酬のいずれか。誰から受け取り、何に使えるか。
  2. 資金に関する負担について、助成金の返還条件や、成果に応じた償還・支払額の変動があるか。
  3. 公表される実施状況について、人数、団体数、事業件数のどれが分かるか。個別の実績を確認できるか。
 役割資金・報酬の授受資金に関する負担集計の公表 
休眠預金資金分配団体○△○公表あり
休眠預金実行団体○○○公表あり
休眠預金活動支援団体○△○15団体
休眠預金支援対象団体××○50団体
休眠預金プログラム・オフィサー○××公表なし
PFS受託者○○○379件
PFS資金提供者△○○19件
PFS中間支援組織○××公表なし
PFS第三者評価機関○××公表なし
○ = 当たる / △ = 部分的 / × = 当たらない
PO・中間支援組織・第三者評価機関の全体集計は参照資料にない。PFS・SIBの件数は団体数ではない
休眠預金等活用制度とPFSの役割を比較。負担の分類は助成の返還や成果連動を対象とし、責任全体を示さない。公募要領・共通的ガイドライン・内閣府の実績資料の記載から作成

助成金の返還と、成果連動の支払いは同じ仕組みではない。図の負担の分類は比較のための整理であり、契約上の責任全体を表すものではない。PO、中間支援組織、評価機関も、雇用や委託の契約に応じた責任を負う。

公表資料から分かること

参照した公表資料には、休眠預金のPO、PFSの中間支援組織、PFSの第三者評価機関について、人数・団体数の全体集計が見当たらない。一方、活動支援団体や支援対象団体の数、PFSとSIBの事業件数は公表されている。

ただし、PFS379件やSIB19件は事業件数であり、受託者や資金提供者の団体数ではない。一つの団体が複数事業に関わる場合もあるため、担当者や組織の増減を直接示す数字としては使えない。

休眠預金の公募要領は、国民への説明責任のため、団体名、申請書類、選定過程、選定理由、助成額などを公表するとしている。資金の配分を説明する情報はあるが、支援を担う職員の人数や経験まで分かるとは限らない。

支援体制を調べるための仮説

資金の配分や事業件数に比べて、支援を担う人や組織の情報が少ないと、支援体制が足りているかを制度全体で評価しにくい。公開情報の目的が資金配分の説明に置かれているためではないか、というのが本稿の仮説である。

公表されていない理由を、リスクを負わないからだと断定することはできない。二制度の比較だけでは、情報公開方針と契約上の責任の因果関係は確認できない。

休眠預金等活用制度には、活動支援団体の枠、PO関連経費、研修の仕組みがある。PFSのアクションプランにも、関係者の連携を促すネットワーク構築が盛り込まれている。これらが支援体制をどう充実させたかを調べるには、人数に加えて、専門分野、担当業務、支援先の変化などの情報が必要になる。

活動支援団体の三年分では、採択された11事業はいずれも他団体を支えるプログラムだった。採択件数と、そこに関わる担当者の人数や経験は区別して確認したい。

自団体の参画を検討する際の使い方

確認したいこと確認する資料・条件
事業費を調達できるか助成・出資・融資の対象経費、金額、期間
資金に関する負担を引き受けられるか返還、償還、成果連動の支払条件と、自団体の財務状況
実績を説明できるか公表資料に加えて、契約、業務報告、成果の記録

公表集計がない役割でも、実績を説明できないわけではない。守秘義務を確認したうえで、事業名、期間、担当業務、成果を自団体で記録すれば、次の提案や支援先との協議に使える。

今後の調査事項

支援を担う組織や担当者について、人数や専門分野をどこまで公表できるかを調べたい。AMEDは、情報公開に関する規則を設け、事業ごとにPOの氏名、所属、役職を掲載している。他制度で採用する場合も、公開目的と個人情報への配慮を確認する必要がある。

また、中間支援組織が成果評価も担う場合は、利害関係と評価の独立性を確認する。補助金、指定管理、Park-PFIなどへの比較を広げる際も、制度ごとに異なる業務や契約条件を区別して整理する。

関連する研究ノート

関連コラム・ガイド


参考文献

  1. 1.
    2026年度 資金分配団体(助成)通常枠第1回 公募要領(外部サイト・新しいタブで開きます)

    一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA) (2026)

    PO関連経費の定義と上限、審査結果の情報公開6項目、事業実施中の情報公開の範囲。

  2. 2.
    成果連動型民間委託契約方式 共通的ガイドライン(令和6年2月改訂版)(外部サイト・新しいタブで開きます)

    内閣府 (2024)

    実施体制の5者の定義、第三者評価機関の設置に関する記述、中間支援組織が評価も担い得ることの解説。

  3. 3.
    国内におけるPFS事業の取組状況について(外部サイト・新しいタブで開きます)

    内閣府 (2026)

    令和7年度末時点の実施件数379件とSIB19件。中間支援組織と第三者評価機関の数は含まれていない。

  4. 4.
    休眠預金等活用制度について(外部サイト・新しいタブで開きます)

    内閣府 (2026)

    活動支援団体15団体、支援対象団体50団体(2026年4月末時点)。3階層の支援体系。

  5. 5.
    独立行政法人等情報公開法第22条に規定する情報(外部サイト・新しいタブで開きます)

    国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) (2026)

    プログラムディレクター・プログラムスーパーバイザー・プログラムオフィサーに関する情報の公開規定。

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