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一般社団法人 社会構想デザイン機構

公共政策

57件のコンテンツ

論考・インサイト

教員の精神疾患による離職が過去最多1,319人 — 教職調整額の引き上げは「根」に効くのか

文部科学省の学校教員統計調査で、2024年度に精神疾患で離職した公立小中高の教員が1,319人と過去最多になった。前回比369人増。国は給特法を改正し教職調整額を4%から10%へ段階的に引き上げるが、休職の要因で「長時間勤務」はわずか0.5%にとどまる。金銭の上乗せは、教員が心を病む根に届くのか。離職と欠員が連鎖する負のスパイラルと、対症療法か根治かという論点を読む。

研究室

東京 23 区の騒音条例定量比較 — 罰則・時間規制・対象源・住民申立プロトコルの実装差分

東京 23 区の騒音関連条例を横断的に比較する。罰則の型・時間規制・対象源・事業者責任・住民申立プロトコルの 5 軸で、公式条例本文と区公式サイトの案内を出典に区ごとの実装差分を可視化する。全 23 区が東京都環境確保条例を共通の土台としつつ、深夜営業・拡声器規制・生活騒音対応の各層でどう差が出るかを型として提示する。

研究室

PPP/PFI 契約書の構造分析方法論 — 定款条項 / リスク分担マトリクス / モニタリング条項の 3 系統読解

PPP/PFI 実務者向けに、契約書のどこを何のために読むかを型として整理する。定款条項の 3 系統読解、リスク分担マトリクスの 5 類型、モニタリング条項の 4 要素接続を軸に、契約書ドラフトを渡された時の実務チェックリスト 12 項目まで下ろす。

研究室

縮小資産の意味反転 5 層方法論 — PPP 初期評価フレームの試案

廃業給油所・廃校・遊休公共施設といった縮小資産を、単なる負債ではなく都市の記憶を書き換えるリソースとして読み直すためのやり方を、物質性・方向性・責任構造・時間性・集合化の 5 層で提案する。PPP 案件の初期評価フレームとして応用できるか、廃業給油所での実装スケッチを交えて検討する。

研究室

廃業油槽所・製油所の建築転用 — 国内 10 事例と国際先行 3 事例の比較

日本の廃業製油所・油槽所は 2013 年コスモ坂出、2014 年 JX 室蘭、2020 年 ENEOS 大阪、2023 年 ENEOS 和歌山、2024 年西部石油山口と続く。跡地の多くは物流基地・石化拠点・SAF 生産拠点への機能転換に留まり、文化・建築的活用の国内先例はほぼ空白である。一方、海外では TANK Shanghai・Gasholders London・Vienna Gasometers という 3 大先行事例が存在する。国内 10 事例と海外 3 事例を比較し、日本での建築転用の可能性を検討する。

研究室

廃業給油所 27,000 か所と地下タンク遺留 — 縮小資産の類型学

全国の給油所は 1994 年度末のピーク 60,421 か所から 2024 年度末に 27,009 か所へ、30 年で約 33,000 か所が閉鎖された。廃業後の地下タンク処理は「撤去が原則、充填残置はやむを得ない場合のみ」(消防危第 78 号)だが、費用負担から充填残置が実態として多用されている。縮小資産のうち「地下インフラ遺留型」の類型学を、法制度と実態から読み解く。

研究室

自治体サウンドスケープ条例モデルへの業界責任条項の追加案

騒音問題の解決を「取り締まり」に頼る限界を、業界責任条項の追加で乗り越えられるか。ISVD が研究段階で試作している「仮想的な自治体サウンドスケープ条例モデル」 (既存 25 条相当 + 追加条項) を素材に、業界責任条項 4 項(認識義務・静音推進宣言・観測拠点での対話プログラム・静音認定制度)を、既存条例との整合と海外先例の参照から読み解く。静音派ライダーとの共同宣言経路を含む研究段階の制度設計スケッチ。

研究室

議員定数削減議論の 7 年推移 — 地方議会における「なり手不足」と定数条例改正議論の時間構造

まちカルテ研究室で構築した議事録データセットから、「議員定数削減」「定数条例」「なり手不足」「無投票当選」等の語を含む発言を 2018-2024 年で集計した。年次推移は 2018-2020 年に高水準で推移した後、2021-2022 年に一時減少し、2023-2024 年に再び増加する波形を示す。総務省の研究会報告(2020 年)と地方自治法改正議論(2023 年)が議会言及の時間構造に対応している。

研究室

「脱炭素」議論の 7 年推移 — 地方議会における気候変動言語の不連続拡散

まちカルテ研究室で構築した議事録データセットから、「脱炭素」「カーボンニュートラル」「再生可能エネルギー」「地球温暖化」等の気候変動関連語を含む発言を 2018-2024 年で集計した。「再生可能エネルギー」は 2018 年から定着済みの既定着語である一方、「脱炭素」「カーボンニュートラル」は 2021 年に不連続な急増を示す。菅内閣による 2050 年カーボンニュートラル宣言(2020 年 10 月)後の一年で、言語が地方議会に一斉拡散した構造が観察される。

研究室

「財政健全化」議論の 7 年推移 — 地方議会における財政危機言語の時間構造

まちカルテ研究室で構築した議事録データセットから、「財政健全化」「財政再建」「財政硬直化」等の財政危機関連語を含む発言を 2018-2024 年で集計した。年次推移は 2018-2020 年に年 2 万件台で推移し、2021 年以降に上昇傾向を示して 2024 年には 3 万件台前半に達する。都道府県別の議論密度には最大約 8 倍の幅があり、財政状況と議論密度の関係は一対一ではない。本稿は個別議会の評価ではなく、議会答弁における財政健全化議論の時間構造と地域分布を観察値として読む。

研究室

LGBTQ・パートナーシップ制度議論の 7 年推移 — 地方議会における性的少数者関連語の地域拡散構造

まちカルテ研究室で構築した議事録データセットから、「LGBTQ」「パートナーシップ制度」「性的マイノリティ」等の語を含む発言を 2018-2024 年で集計した。2021 年の性的指向・性自認理解増進法(LGBT 理解増進法)の立法動向が議会言及の急増と重なり、2024 年の言及水準は 2018 年比で数倍規模に達する。都道府県別では制度導入先行自治体を抱える都道府県で言及密度が高い傾向がある。

研究室

ヤングケアラー言及の 7 年推移 — 地方議会における「家族介護を担う子ども」議論の時間構造

まちカルテ研究室で構築した議事録データセットから、「ヤングケアラー」「若者ケアラー」等の語を含む発言を 2018-2024 年で集計した。2020 年以前はほぼゼロに近い水準が、2021 年以降に急増し 2024 年には 7 年間の中で最高水準に達する。都道府県別の言及密度には最大約 10 倍の幅があり、認知度向上施策の時間的効果と地域差を観察できる。

研究室

空港コンセッションの収益構造 — 国管理空港12空港が示す「採算の壁」と民間参入条件

2016年以降、仙台・高松・福岡・北海道7空港など国管理空港のコンセッションが進んだ。しかし全国98空港のうちコンセッションが成立したのは12空港に限られる。航空旅客収入・商業収入・着陸料の3収益源の構造と、採算が成立する空港規模の条件を分析する。

研究室

Park-PFI 7年の収益構造 — 都市公園に収益施設が生まれる条件と3類型の分岐点

2017年の都市公園法改正から7年、Park-PFI(公募設置管理制度)で整備された収益施設は全国300件を超えた。しかし採算が成立する案件とそうでない案件の間には、立地・施設規模・還元金設計に明確な構造差がある。収益施設単体型・公園整備充当型・複合開発型の3類型に分類し、どの条件でどの類型が機能するかを分析する。

研究室

PPP公民連携デスクの設置格差 — 自治体内部能力の構造問題と案件形成への影響

内閣府はPPP/PFI推進に向けて自治体へのPPPデスク設置・アドバイザー派遣を整備した。しかし案件が生まれている自治体と生まれていない自治体の間には、担当者の専門性・首長の本気度・デスク機能の継続性に明確な構造差がある。内部能力の格差が案件形成格差に直結する構造を分析する。

研究室

PPP/PFI案件のリスク分担マトリクス — 設計不備が引き起こす事業失敗の構造

PPP/PFI案件の契約設計でもっとも争点になるのはリスク分担だ。需要リスク・建設コストリスク・物価変動リスクの3類型を軸に、官民のリスク分担設計が案件の採算性と事業継続性にどう影響するかを分析する。国内の失敗事例から設計不備のパターンを抽出し、適切なマトリクス設計の原則を整理する。

研究室

上下水道コンセッション 3事例の構造比較 — 宮城・浜松・須崎が示す運営移管の分岐条件

宮城県(上工下水道一体型)・浜松市(下水道)・須崎市(水道)の3事例は、上下水道コンセッションの異なる設計類型を代表する。民間への運営権移転が採算・サービス水準・リスク分担においてどう機能するかを構造的に比較し、2030年代に向けた自治体の設計選択肢を整理する。

研究室

フェミサイドの統計的不在(数えられない死の構造)

日本において「フェミサイド」は公式統計に存在しない。女性が性差別的動機で殺される現象は起きているが、それを測定する枠組みがない。統計の不在がいかに社会問題を「存在しない」ものにするか、無知学の観点から分析する。

研究室

毎月勤労統計の不正と国家的無知の再生産 — 数字が「なかった」とき

2018年に発覚した厚生労働省「毎月勤労統計」の組織的不正は、単なる調査ミスではなかった。問題の核心は、不正が20年近く発覚しなかった「無知の構造」にある。国家統計をめぐる戦略的無知の生産メカニズムを分析する。

研究室

教育カリキュラムの選択的記述と知識のフィルター

何を教えるかは、何を知らないままにするかを決める。日本の教育カリキュラムにおける内容の選択・排除・縮小は、政治的・社会的な力学の産物だ。学校教育を通じた無知の生産メカニズムを無知学の枠組みで分析する。

研究室

「記憶にございません」— 政治的無知の制度化メカニズム

日本の政治において「記憶にございません」という応答が繰り返される。これは個人の記憶喪失ではなく、説明責任を回避するための制度化された無知の実践である。政治的記憶の否定を無知学の枠組みで分析し、そのメカニズムと機能を解明する。

研究室

騒音訴訟 9 判例の学習曲線 — 受忍限度論から 59 億円判決まで

1967 年最高裁の受忍限度論から 2024 年横浜地裁の第 5 次厚木基地訴訟 59 億円まで、日本の騒音訴訟が「20% 認容」から「集団訴訟による億単位賠償」へ進化した学習曲線を 9 判例で読み解く。個別加害から集合被害への構造転換と、住民運動が判例を積み上げた跡を追う。

研究室

「空き家」「公共施設」議論の地域分布 — 全国 1,320 自治体・7 年間の構造分析

全国地方議会発言データ(machikarte 約 1.25 億件、2018-2024 年・最大 1,320 自治体)から「空き家」「公共施設」「廃校・統廃合」関連の言及を集計した。「空き家」言及は 2018 年 34,573 件から 2019-2021 年に 2.4-2.6 万件まで落ち込み、2024 年 34,847 件と U 字回復している。「公共施設」言及は 2024 年が 7 年で最高水準(67,014 件)、「スモールコンセッション」関連の議論共起は 2023 年 2 件から 2024 年 36 件と急増した。本稿は個別議会の評価ではなく、議会発言における公共資産活用議論の時間構造と地域分布を観察値として読む。

研究室

「外国人材」議論の地域分布 — 全国 870 自治体・7 年間の構造分析

全国 1,316 自治体・2024 年単年 666 万件の議会発言データから、「外国人材」「技能実習」「特定技能」関連の言及を 2018-2024 年で集計した。年次推移は 2019 年 8,355 件のピークから 2022 年 3,987 件まで落ち込み、2024 年に 7,703 件まで回復する。同期間に「特定技能 / 技能実習」言及比率は 0.12 から 0.53 まで約 4 倍にシフトした。都道府県別「自治体あたり言及件数」は 2.00 から 19.63 まで約 10 倍の幅で分布している。本稿は個別議会の評価ではなく、議会答弁における外国人材議論の時間構造と地域分布を観察値として読む。

論考・インサイト

教員不足を分けるのは「県」だった — 採用倍率4.4倍格差と43自治体悪化の構造

文部科学省の令和7年度教師不足調査は全国で3,827人の不足を示すが、本当の論点は総数ではない。自治体ごとに「悪化43・改善23・不足ゼロ8」と分布が割れ、採用倍率は高知4.8倍と秋田1.1倍の間に4.4倍もの開きがある。教員不足は均一な不足ではなく、地域格差が固定化する局面に入っている。

論考・インサイト

孤独・孤立対策推進法 施行1年:なぜ地域協議会は0.6%にとどまるか

2024年4月に施行された孤独・孤立対策推進法。1年が経過した時点で、法第19条が定める「地域協議会」を設置した市区町村はわずか32自治体、全国1,741市区町村の0.6%にとどまる。国・地方版プラットフォーム・地域協議会の3層構造はなぜ実装が止まったのか。予算8千円/自治体相当という構造、既存6制度との重複、英国・韓国との比較から、自治体実装の温度差を生む構造的要因を読む。

研究室

議会答弁『介護』言及の 7 年推移 — 介護保険法改正の時間構造と policy lag

全国 1,316 自治体・2024 年単年 666 万件の議会発言データから、『介護』『要介護』『介護保険』の言及率を 2018-2024 年で集計した。介護言及率は 1.89%-2.39% のレンジに収まり、介護保険法改正年(2018)と第 9 期介護保険事業計画開始年(2024)に上昇する構造が観察される。本稿は個別議会の評価ではなく、議会答弁における政策ターム浸透の時間構造を観察値として読む。

論考・インサイト

後期高齢者保険料上限「80→85万円」(2026年度) : 高所得高齢者ピンポイント引上げと中低所得層への波及構造

2025年12月12日、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会は、後期高齢者医療制度の年間保険料の上限額を2026年度に80万円から85万円へ引き上げる方針を了承した。さらに2026年4月から新たに「子ども・子育て支援納付金」分2万1000円が別枠で上乗せされ、医療分85万円との合計上限は87万1000円となる。引上げの対象は年金と給与収入を合わせて年1,150万円以上の高所得者層で、加入者全体の1.2%が該当する。報道のフレーミングは「75歳以上の保険料が上がる」だが、構造を読むと、これは高所得層へのピンポイント上限引上げによって中低所得層の保険料伸び率を抑制する設計である。年収400万円のケースでは2026年度年間保険料が約29.7万円(前年比+4.2%)の伸びにとどまる。本稿は厚労省の制度設計、対象1.2%の意味、子ども・子育て支援納付金分2.1万円の新設、そして「世代内応能負担の強化」と「世代間給付構造」の関係を読み解く。

研究室

文献マップ: 地方議会発言データ研究の系譜 — 渡部春佳・木村泰知・東健次郎の研究を中心に

machikarte が立脚する地方議会議事録分析・コーパス研究・市民参加プラットフォーム研究の先行研究マップ。データ取得・構造抽出・市民還元の一連の流れを、3 系統の研究蓄積で辿る。

論考・インサイト

教育に投資しない国 — OECD平均の56%しか出さない日本の公財政支出が生む格差の連鎖

日本の高等教育への公的支出はOECD平均の約56%にとどまり、家計が費用の過半を負担する構造が固定化している。防衛費が文教関係費の約2倍に達する予算配分の中で、教育を「社会投資」として再定義する視座がなぜ必要なのかを、OECDデータと社会投資論から読み解く。

研究室

スモールコンセッション 3 つの壁の構造分析 — 日本型スモコンの収益構造類型と突破パターン

国土交通省「スモールコンセッションのすすめ」(令和8年5月)が整理する「イメージの壁・パートナーの壁・事業化の壁」を、PMC 2026-04-14セミナー全24P事例15件と照合し、日本型スモコンの収益構造(行政負担ゼロ型・補助金併用型・FTK型・LABV型)を類型化する。どの条件がどの類型に適合するかを構造的に整理することで、参入余地の有無を読む視点を提供する。

論考・インサイト

金融所得を保険料に反映、2028年度目途 — 申告歪みの解消

骨太の方針2025が明記した金融所得の保険料反映、目処は2028年度。現行の歪みは「申告したかどうか」で保険料が変わる点。配当でも確定申告なら算定対象、源泉徴収のみなら対象外。NISA除外とはいえ「応能負担化」は矛盾を抱える。

研究室

答弁における「検討」表現の全国分布 — 870 自治体 1,897 万件の構造分析

全国 870 自治体・約 1,897 万件の議会答弁から、「検討します」「検討してまいります」等の表現の出現比率を集計した。加重平均は 3.58%、自治体間の分布幅は 0%〜21% に及び、都道府県別の中央値でも約 11 倍の幅が観察される。本稿は個別議会の優劣評価ではなく、答弁言語の構造的偏りを観察値として読むための分析である。

研究室

マチカルテ研究室 仮説と全体像 — 議会発言を観察値として読むための土台

全国 1,788 議会の発言を横断引用可能な形で整え、観察値として構造的に読むための研究室。個別の議会や議員を断罪するのではなく、自治体間の分布・伝播・沈黙の構造を主語に据える。差別化の核はデータ品質保証と検証スクリプトと編集判断の透明性に置いている。

研究室

公共資産活用研究室 仮説と射程 — 制度・資金・人材の3層から構造を読み直す

公共資産活用研究室(ISVD-LAB-005)の問題意識・分析射程・方法論をまとめる。PPP/PFI、スモールコンセッション、Park-PFI、PFS等の制度類型と、ローカル事業者・専門家・自治体の協働における構造的困難を、内閣府・総務省・国交省の一次資料と全国事例を交差させて分析する。

論考・インサイト

デジタル赤字と「AI エージェント元年」— デジタル社会構想会議 素案フェーズで定着した 3 つの構造的偏り

デジタル庁デジタル社会構想会議の第11回(2025年12月)と第12回(2026年5月)は、次期「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の素案フェーズである。 この 2 回で議論の輪郭が固まりつつあるが、ISVD は (a) 「赤字」指標の単方向性、(b) AI を競争力フレームに閉じ込める設計、(c) 意思形成チャネルの狭さ、の 3 つに構造的偏りを見る。

論考・インサイト

「社会構想」を国家政策の言葉から取り戻す — ISVD の「社会構想デザイン」とデジタル庁「デジタル社会構想会議」の射程差

ISVD が掲げる「社会構想デザイン」と、デジタル庁が主催する「デジタル社会構想会議」は、名称の一部が重なるが主体・射程・方法のいずれも異なる。 本稿は両者の差異を整理し、「社会構想」を国家政策語彙からどう取り戻すかを検討する。

お知らせ

デジタル社会構想会議 第12回(2026年5月22日)速報 — 次期重点計画に向けた論点と ISVD 視点

デジタル庁デジタル社会構想会議 第12回(2026年5月22日開催)の議題と公開資料を、ISVD 視点で整理する。次期「デジタル社会の実現に向けた重点計画」策定に向け、自治体(都城市・山口県)、産業界(楽天)からの提出資料が提示された。

論考・インサイト

民事裁判IT化5月21日施行 — mints義務化と本人訴訟7%

2026年5月21日、改正民事訴訟法が全面施行。弁護士はmintsへの電子提出が義務化された。地裁本人訴訟比率はすでに20%から7%へ激減。IT化の恩恵を受けにくい当事者層はすでに少数派で、潜在訴訟の問題は統計に現れない。

研究室

『疑念の商人』から『規制の捕獲者』へ — 巨大AI企業の規制捕獲を27メカニズムで読み解く

Birhane et al. (2026, FAccT'26) が示した5カテゴリー27メカニズムの規制捕獲分類を、ISVD無知学研究室の7軸コーディングに統合する。タバコ・石油・製薬産業が用いた『疑念の製造』戦術がAI業界にどう転移したか。100記事249ケースの実証データと11の支配的物語から、無知の生産インフラの現代的形態を読み解く。

研究室

公共サービスの「ソフト化」— 施設からサービスへのパラダイムシフト

インフラ維持更新費は今後30年で190兆円、建設後50年超の道路橋は2040年に75%に達する。公共資産活用の議論は「ハコモノ」再生に集中してきたが、住民が必要としているのは施設ではなくサービスである。電子図書館611自治体、コンビニ交付1,713万件、学校体育施設開放率96%。施設を持たずにサービスを提供する「ソフト化」の構造転換を分析する。

論考・インサイト

教員不足4,317人の構造 — なぜ「なり手」がいないのか

文部科学省の実態調査で明らかになった教師不足は、4年間で約1.7倍に拡大した。採用倍率の低下、臨時的任用教員の枯渇、特別支援学級の急増という三重の構造的要因が、公教育の担い手を蝕んでいる。

論考・インサイト

教員不足4,317人の構造 — なぜ「なり手」がいないのか

文部科学省の実態調査で明らかになった教師不足は、4年間で約1.7倍に拡大した。採用倍率の低下、臨時的任用教員の枯渇、特別支援学級の急増という三重の構造的要因が、公教育の担い手を蝕んでいる。

論考・インサイト

孤独・孤立対策推進法から1年 — 「つながり」の定量化は可能か

2024年4月に施行された孤独・孤立対策推進法。施行から1年、全国調査で孤独感を「ある」と回答した人は39.3%で横ばいのままである。WHOは2025年6月、孤独に関連する死亡を毎時100人・年間87万人と推計し、「社会的つながり指数」の開発を提唱した。法律はできた。だが「つながり」をどう測り、政策効果をどう評価するのか。この定量化の問いに、日本はまだ答えを持っていない。

論考・インサイト

「マイナンバーカードが使えない」— デジタルデバイドの世代別データ

マイナンバーカードの保有率は79.6%に達した。しかし70歳以上のオンライン行政手続の認知率はわずか19.1%、医療機関の87.5%がマイナ保険証のトラブルを経験している。政府統計が示す「持っている」と「使える」の構造的な世代間格差とは何か。

論考・インサイト

水道管の老朽化率20% — 見えないインフラ危機のデータ

全国の水道管74万kmのうち、法定耐用年数40年を超えた管路が23.6%に達した。年間2万件超の漏水事故、更新率わずか0.64%、全管路の更新に130年以上。水道料金の平均48%値上げが必要とされる「見えないインフラ危機」の構造をデータで読み解く。

論考・インサイト

「政治不信」の構造 — 投票率と信頼度データが示す民主主義の危機

衆議院選挙の投票率は2012年以降5回連続で50%台にとどまり、政府への信頼度はOECD加盟国中で最低水準の26%。内閣府調査では国民の73.6%が「政策に民意が反映されていない」と回答している。投票率・信頼度・政治的有効性感覚の3指標を重ね合わせ、日本の政治不信の構造を読み解く。

研究室

廃校スモールコンセッションの構造分析 — 全国1,951校の未活用廃校が示す制度と実行の断層

全国7,612校の廃校のうち1,951校が未活用のまま放置されている。文科省は廃校スモールコンセッションを公式に推奨し、補助金返還を免除する10年ルールも整備された。にもかかわらず、なぜ廃校活用は進まないのか。制度・資金・規制の3層から構造的な障壁を分析し、突破パターンを提示する。

研究室

企業版ふるさと納税631億円の構造分析 — 人材派遣型が変える公共資産再生の資金と人材

企業版ふるさと納税の寄附額は令和6年度に631億円・18,457件に達し、人材派遣型は157名・119団体に拡大した。最大約9割の税軽減、人件費の寄附対象算入、R9年度までの3年延長。この制度は公共資産再生の資金と人材の両方を解決する可能性を持つが、不正事案による制度改善が転機をもたらしている。

研究室

PFS普及率9%の構造分析 — 制度・資金・ガイドラインが揃っても自治体が踏み出せない理由

成果連動型民間委託契約方式(PFS)を実施した自治体は全国1,700団体中わずか154団体、9%にとどまる。内閣府はガイドライン・交付金・専門家派遣を整備したが、案件形成の現場では「WTP算定の壁」「ロジックモデル設計の壁」「庁内合意形成の壁」が立ちはだかる。制度と実行の断層を構造的に分析する。

研究室

優先的検討規程の構造的乖離 — 策定率82%の裏側にある「運用されない制度」の実態

内閣府が推進するPPP/PFI優先的検討規程は、人口20万人以上の自治体で策定率82.1%に達した。しかし策定と運用の間には構造的な乖離が存在する。人口規模別の策定率データ、総務省調査による形骸化の実態、先進事例(豊明市・智頭町)の制度設計を交差させ、「規程があるのに機能しない」構造を定量的に分析する。

論考・インサイト

自転車の青切符はいくら? 2026年4月施行の反則金一覧と対象違反113種類

2026年4月施行の自転車青切符制度を解説。ながらスマホ12,000円、信号無視6,000円など主要違反の反則金一覧と、自転車専用レーンが全国5%未満という整備状況のギャップを警察庁データで分析する。

論考・インサイト

議員1人年7,000〜8,000万円の公費 — 歳費・旧文通費・JRパス

法定報酬は年約2,191万円だが、旧文通費・立法事務費・JRパス等を加算すると議員1人の公費は年7,000〜8,000万円規模に達する。2025年8月改革後も立法事務費・JRパス換算額は非公開。定数削減より独立審査機関が先決だ。

論考・インサイト

大学無償化の「条件」を知っていますか — 所得制限・多子世帯要件・国際比較の構造

2025年4月から多子世帯の大学無償化が始まった。だが対象は全世帯の12.7%に過ぎない。所得制限・同時扶養要件・国立大値上げとの矛盾。OECD最下位クラスの家計負担率51%が示す日本の高等教育の構造問題を、ドイツ・北欧・米国との比較で読み解く。

ディベート

AIと市民参加のジレンマ — 民意吸収の自動化は民主主義を拡張するか

パブコメ0件、投票率53%の日本で、AIによる民意吸収は民主主義を拡張するのか。vTaiwan、Habermas Machine、Decidimなど世界の実験を踏まえ、4人の論者がシミュレーション討論を通じて構造的争点を浮き彫りにする。

研究室

NPOの認識的不正義と情報到達格差 — 声が届かない構造を可視化する

Miranda Frickerの認識的不正義理論をNPO文脈に適用し、証言的不正義と解釈的不正義が政策立案における情報到達格差を生む構造を分析する。静かなまちプロジェクトの「苦情空白」概念との接続を通じて、無知学的対抗デザインを構想する。

研究室

EBPMにおける戦略的無知の阻害効果 — 「知らないふり」が政策を歪める

Linsey McGoeyの戦略的無知理論を日本のEBPM推進に適用し、エビデンスが存在するにもかかわらず政策に反映されない構造的メカニズムを分析する。「データが不十分」「まだ早い」という言説の裏にある意図的な無知の構造を明らかにする。